最近読みました(Vol.7)
|【不定期連載 社長’s Bookレビュー】
『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』 安部司・著 (東洋経済新報社)
食品の裏側を告発する初めての本と最初にあるとおり、食品製造の裏側と、「添加物」についての情報を公開している。
著者自身言うように、食品添加物の専門商社に在籍し、実際に販売を担当してつぶさに製造工程を見てきた実際が書かれている。読みながら、その説得力には驚嘆を隠せない。
添加物の大部分は身体に良いものは一つもない。しかしだからといって、作って即食べるもの以外、添加物のお世話になるのもやむを得ないのだから、私たちは出来るだけその種類の少ないものを選ぶべきではあろう。
そこでその商品の表示を確認することになるのであるが、そこにも落とし穴があって、数種類の添加物を使っていても「調味料(アミノ酸)等」と表示し、実際どれほど沢山のものを使っているのかが判らない仕組みになっている。全て『等』の中に含ませてしまうのだ。
食品添加物がなければ、スーパーの食品の大部分はないのだから、私たちはそのことを知った上で上手に付き合っていくべきだと著者は率直に述べている。
結論としては、食品添加物を「悪いもの」「害のあるもの」として一方的に告発/断罪しているだけの内容ではなく、製造している業者にも奮起を促している点、実に評価出来るのである。
加工食品のウソ・ごまかしを見抜く『安部式添加物分類表』なども書かれていて、毒性の強弱のみでなく、こんなもので着色されているから安いのかな?といったようなことも判るので、ぜひ食材の調達時にはコピーを持参して参考にされるとよい。
食品は本来、食材の性質を生かして味が決まるのであって、現在販売されているもののほとんどは食材と関係なく食品添加物によって味が作られている。
台所で食事を作る全ての人に読んでほしい。
何よりも、著者が食品添加物の専門家であることでとても解りやすく書かれている。
コメント
添加物によるアレルギーも多いと聞きます。
添加物ゼロは無理にしても少しでも安全な物を選びたいですね。
少し路線が違うかもしれませんが、服部真澄氏の【GMO】も、遺伝子組み換え作物の未来を問う内容で読み応えがありましたよ・・・。
にゃんきちさん、コメントありがとうございます。
うちの社長がことのほか喜んでおります。もう大喜び(笑)。
服部真澄『GMO』、機会があれば読んでみようと思います。(ってこういうこと書くと単なる社交辞令みたいでアレですけど、マジで読むんだなコレが。)
ちなみに—、最近の私のお気に入り作家は中町信。創元推理文庫で3冊ほど復刊されていて、それがもうたまらなく面白く…。
クライマックスでの「騙され感」がもう快感になっています。
『模倣の殺意』『天啓の殺意』『空白の殺意』創元推理文庫のサイトで見てみました。社交辞令じゃなくおもしろそう!!騙されてみたいですわ。
ダン・ブラウンの新刊を読破したら本屋にダッシュです!
【○○の殺人】とか【○○の謎】などシリーズ物は、読み出すと次へ次へともう止まりません!そして寝不足…。
早速のご反応、嬉しい限りです。
発売順に読んだんですけど、既刊の中では『天啓の殺意』がお勧めかな。大仰ではなく、私はちょっとショックでした。「あぁ、そうだったのか…」と。
本はもっぱら電車の中なんで、ここんとこハードカバーはとんとご無沙汰です。文庫なら多少の混雑でも読めますしね。
でも一番の理由は、やっぱり値段かな(笑)。
ところで本屋大賞、今年はリリー・フランキーですか。そんなにいいんですかね、『東京タワー』。読んでみようかな。
昨年の大賞、恩田陸『夜のピクニック』にはホントやられたから信頼感は高いぞ。
服部真澄『GMO』がやっと入荷。
かなり大部なのでいつ読了するか。
先行して今は『清張短篇コレクション』にはまっているので、社長に先に読んでもらおうかな…。