最近読みました(Vol.14)
|【不定期連載 社長’s Bookレビュー】
『異常気象売ります』(上・下) シドニィ シェルダン・著 (アカデミー出版)
新聞広告丸々一頁を使って英語の教材を通販していることで有名なアカデミー出版が、本の出版に進出した時の第一弾が『ゲームの達人』で—。
それはかなりの長編であったが、実に面白く、良く書けた傑作中の傑作と言ってもよいものであった。
その後に出た『真夜中は別の顔』、『血族』等々、何冊か購入し読んでみたが、『ゲームの達人』程のインパクトは得られず、この著者とはしばらく遠ざかっていた。
書店で、「全ページがクライマックス 読み始めたら止まらない!」と表紙に書かれた惹句に魅かれ、かつて読んでいたシドニィ・シェルダンということもあって今回購入してみた。
地球温暖化のせいか、最近の天候は寒ければとてつもなく寒く、かと思えば、本来一ヶ月後の暖かな気温だったりで「安定しないなぁ」と思っていた所もあったので、この題名にも興味を持った。
既に人口降雨の研究等が行われているのだから、実際こんなシンクタンクがあっても…と思わせる、その研究機関に勤める二人の科学者が何者かに殺されてしまう。
残されたそれぞれの二人の妻が、協力して真相の解明に当る。
勿論、そうはさせじと逆に「殺してしまえ」という勢力もいて、双方の駆け引きで物語は展開していく—。
推理小説の部類に入るのであまり多く書くことは控えるが、小道具として使われている機器やそれらの方法は、私たちの日常にもどんどん入ってきているものであまりよい気持ちがしない。
何年か前、茨城の医師が自分の妻を殺害し、横浜の港に遺棄した事件の捜査過程で、家を出て横浜に至る経過、その道路が、カメラによって明確に確定されていたことを思い出す。
最先端技術を研究・運営するシンクタンクのような機関、そのトップの人間は細心の気配りと見識を持った人でなくてはならない。
そうでないと現代社会が壊れてしまう。ましてそのトップの精神に異常が認められたりしたら…。
『ゲームの達人』には及ばないが、「読み始めたら止まらない」は本当である。
コメント
読みました。気象とか人工的に変えられるんですかね。小説としては二人の未亡人の活劇が面白かった。ちょっとだけチャーリーエンジェルみたいで。
福田さん
コメントどうもありがとうございます。
私も社長同様、シェルダンは初期の2~3冊は読んだのですが、その後ずっとご無沙汰であります。
久しぶりに私もこのシェルダン、読んでみようかなと思っています。
とにかくうちの社長は多読・乱読なんで、お陰さまで私は殆ど小説代を使わなくてすみます。
有難いことです。
ハードカバーは結構高いですしね。
コメント、本当にありがとうございました。
社長も喜んでおります。